薬剤で重症化を招く

 恐怖心をあおられた人たちは、安心を求め薬剤に走ってしまいます。
 ワクチンの副反応を恐れて、薬局からアセトアミノフェン(カロナール)が消えたというくらいです。
 実際、感染者のほとんどが解熱剤を服用しているようです。
 本来、熱は、歓迎されるべきものです。(免疫が正常な証拠)

 解熱剤は、熱などの症状を抑えるだけです。(つまり対症療法)
 そのため、熱に弱いウイルスは活発化します。
 熱を下げるつもりが、かえって反動を生み、高熱を招いてしまうのです。
 40度を超えたとかいう場合は、たいてい解熱剤が使われています。
 そして、熱を上げ下げして感染を長引かせ、重症化リスクも高まります。
 最悪、サイトカインストーム(免疫の暴走)を招いてしまいます。

 病院では、サイトカインストームを抑止するのにステロイドが使われます。
 本来、ステロイドは、副腎の機能不全などで欠乏しているステロイドを補助的に補うためのものです。
 サイトカインストームの抑止はできません。
 ステロイドは、免疫を抑制する力が強く、使うタイミングをひとつ間違うと致命的です。
 インドでは、新型コロナ感染者(回復後も)に、ムコール症(真菌感染症)が多発しています。
 ムコール症は、身体にカビが生える病態です。(致死率は50%と高い)
 これは、ステロイドの乱用によるものと考えられます。
 免疫を抑制したことにより、カビなどの感染を抑えられなくなったのです。
 放置すると、感染が広がりますので、眼球や顎の骨など、感染部位を切除するしか手が無くなります。

 また、コレステロール低下剤は、幅広く使用されていますが、感染症を重症化しやすくします。
 特に危険とされているのがスタチン剤です。
 この薬は、コレステロール(細胞を作る材料)だけでなく、コエンザイムQ(エネルギーを生み出す)やドリコール(細胞の構成や識別に必要な物質)などの身体にとって重要な物質の精製を阻害します。
 コレステロールは、私たちの筋肉や血管・内蔵など、あらゆる組織を作るための材料になります。
 コレステロールは、健康を維持するのに、とても大事なものです。
 不足すると、身体の組織がもろくなります。
 また、神経細胞も正常に働かなくなり、免疫も弱り、ウイルスやガン化した細胞を排除できなくなります。
 身体の炎症も治りにくくなります。
 新型コロナ感染症でも、重症者ほどコレステロール値が低いとの報告があります。

 また、持病のある人には、様々な薬剤が使われています。
 免疫力を抑制する薬やACE2を増やす薬は、感染や重症化を促進します。
 新型コロナウイルスは、私たちの身体のACE2という酵素を受容体として侵入してきます。
 ACE2というのは、体内に炎症が起こると修復のために増えてくる酵素です。
 ステロイドや抗がん剤、アトピー性皮膚炎の人が使うプロトピック軟膏など、免疫を抑制します。
 高血圧に使用する降圧剤のARBやACE阻害剤(アンジオテンシン系)
 カルシウム拮抗剤やARBは、免疫力も抑制してしまいます。
 糖尿病に使用するアクトスも同様にACE2を増やします。
 ほかにも、睡眠剤や安定剤、抗リウマチ剤など、多くの薬剤の危険性が指摘されています。
 (詳細はとても書ききれません)

 このように、新型コロナ感染で重症化、死亡といっても、背景には複雑な要因が絡み合っています。
 注意喚起されることもありません。自らで身を守っていくしかないのです。

 ※1 アセトアミノフェン以外の非ステロイド抗炎症剤は、免疫を落とし病状を悪化させます。
 (アセトアミノフェンといえども危険性はある)
 また、ライ症候群(脳症)を発症する危険性も高まります。
 ところが、厚労省は、6月下旬、イブプロフェンやロキソプロフェン、ボルタレン、アスピリンなどの市販薬でもOKという公示を行いました。
 (アセトアミノフェンの品薄回避のための緊急措置として)
 本来なら、医療逼迫を防ぐために解熱剤の使用をやめさせるべきところです。
 これから、自宅療養者が、高熱の恐怖から、これら薬剤に走ることになるのでしょう。
 そうなると、病状を悪化させ重症化や死亡というケースも増えてくることが予想されます。

 薬剤で、病気を癒やすことはできません。
 逆に、生体を防御する反応(症状)が抑えられてしまいます。
 そのため、内に秘めた回復力を阻害し、病状を悪化させることになるのです。