ワクチン効果の誤解

 コロナ2度目感染のしずちゃんにネット動揺「改めて不安」「ワクチン接種しても感染するの?」(2021年7月28日 スポーツ報知)
 2度目のコロナ感染報道に、ネット上でも驚きの声が広がっている。「2回目ワクチン終了後、医師に『ワクチン打っても感染する。症状が出ないだけ。だから、他人に感染させないようにマスク等対策必須』と言われたよ」...(後略)

 この報道は、あるテレビ番組でも取り上げられていたのですが...
 コロナに感染しても、軽症では抗体も無くなりやすく、二度の感染もありうると...
 それに比べ、ワクチンの効果は高く、感染を防止できる...と例のごとくワクチン(抗体)効果の宣伝に終始していました。
 (しずちゃんがワクチン接種後の感染だということは隠して)

 こうした間違ったメッセージが、世間に大きな誤解を広げています。
 (メディアとしては、それが狙いなのですが)
 大きな誤解は、「抗体=免疫」ではないということです。
 抗体というのは免疫の一部でしかありません。
 また、血液中の抗体量と感染を防御する力(中和活性)に相関関係はありません。
 そもそも、免疫が正常な(抑制状態にない)人は、自然免疫(好中球やマクロファージなど食細胞)が働きます。
 抗体などの免疫記憶は必要ないのです。

 抗体というのは、ウイルスが人の細胞に感染するのを阻止するためのものです。
 なので、抗体価が上がるとウイルスの感染を予防できるとされています。
 でも、免疫システムは、そんな単純にはできていません。
 抗体といっても、様々な種類があり、対象のウイルスを阻止できる抗体が増えなければ意味がありません。
 したがって、抗体の有無に関わらず、感染する人、しない人がいるわけです。

 新型コロナワクチンで、懸念されているのが、抗体依存性感染増強と呼ばれている現象です。
 (悪い抗体が、感染や重症化を促進する)
 本来、抗体は、ウイルスから体を守るはずのものです。
 でも、その抗体が、免疫細胞などへウイルスが感染するのを促進するケースが生じます。
 そして、その免疫細胞を暴走させ、症状を悪化させます。
 ワクチンで、良い抗体ばかりができるとは限らないのです。
 これは、現行のウイルスに限った話ではありません。
 現行のウイルスを阻止できる抗体が、変異株(または従来株)に対しては、抗体産生を邪魔する場合もあるのです。

 獲得免疫には、この抗体(液性免疫)とは別に、細胞性免疫というのがあります。(NK細胞やT細胞などリンパ球が主役)
 この細胞性免疫は、自然感染により発達します。
 細胞性免疫は、病原体に対して、直接、攻撃をしかけ排除します。
 また、細胞性免疫では、細胞内に潜り込んだ病原体も排除できるため、抗体より重要と考えられています。
 (抗体は、病原体が細胞内に入ると認識できなくなる)
 細胞性免疫は、流行しているウイルスに対する予防だけでなく、変異型にも有効です。

 また、ワクチンには、様々なものが含まれています。
 なので、接種を続けると、添加物や変性タンパク質(※1)が身体に蓄積していきます。
 そして、免疫抑制の状態が続き、炎症のコントロールが難しくなります。
 つまり、免疫力が弱まり、様々な感染症にかかりやすくなるのです。
 エビデンスも多く発表されています。

 たとえば、インフルエンザワクチン接種(2017~2018)によって、新型コロナ感染症のリスクが36%高まることが報告されています。
 (2020年のペンタゴンの研究)
 また、世界の39カ国における150万人以上におよぶ大規模調査では、
 65才以上において、インフルエンザワクチン接種率と新型コロナ感染による死亡率に相関関係があることが明らかにされています。
 前年度のインフルエンザワクチン接種率が高い国ほど、新型コロナ感染症による死亡率が高いのです。

※1 変性タンパク質
 変形した異常なタンパク質のことで、細胞内(小胞体)に取り込まれると細胞死を起こします。
 アルツハイマー等の神経変性疾患、がんなど、様々な病気に関与していると考えられています。