セルフレジ形式の「量り売り」で

収穫から会計までをセルフで

 現在の流通システムでは、生産者と消費者との間に大きな隔たりがあります。
 これでは、お互いの思いを理解し合うことは、ままなりません。
 そして、ただ、安ければ良いの世界になっていきます。

 こうした中で、広まりつつあるのがコミュニティー農園です。
 コミュニティー農園では、消費者が生産者を支えていく形になります。
 それにより、様々な価値を生み出していくことも可能になります。
 そのひとつが「量り売り」という形態です。

 これは、野菜の収穫から精算まで、お客さん自身に行ってもらうというものです。
 お客さんは、自分で欲しい野菜を収穫し、それを「はかり」に乗せ、タッチパネル操作で精算すればよいわけです。
 それによって、消費者に、生産の現場を知ってもらうことができます。
 また、子供たちの収穫体験(農業体験)としても利用していただけます。

なぜ「量り売り」なの?

 「量り売り」は、フランスのマルシェや欧米のオーガニックスーパーでは一般的です。
 (お客さん自身で収穫するわけではありませんが...)
 「量り売り」では、自分が欲しい分だけ買えるので食材の無駄がでません。
 包装の袋やパックなども不要になり、ゴミも大幅に減らせます。
 これは、マイクロプラスチック汚染対策のためにも重要です。
 ゴミ問題を解決するには、発生源を絶っていくしかありません。

 生産者にとっても大きなメリットがあります。
 収穫した野菜を選別したり袋詰めしたりする作業は大変です。
 量り売りが実現すれば、こうした作業の手間も省けます。
 手間がかかり、利益の少ない現行の農業では、誰も就農したいとは思いません。
 持続のためには、生産者の負担を減らす農業にシフトしていかなければなりません。

 それだけでなく、食の世界に大きな変化をもたらすことも可能になります。
 「量り売り」が実現すると、今までのような規格野菜である必要がありません。
 生産者は、多品種・少量生産で、付加価値の高い野菜も扱えるようになります。
 それによって、農業の形態も大きく変わっていきます。
 たとえば、今では、野菜は、甘ければ美味しいという価値観しかありません。
 個性豊かな野菜が市場に出回るようになれば、新たな価値が生まれてきます。
 そして、新たな市場も創造されていくことになります。
 食に関する産業全般の活性化にもつながっていくわけです。

「量り売り」のためのシステム

 「量り売り」を行うにしても、そのつど手作業で計量して精算していたのでは手間がかかります。
 とはいえ、セルフレジの導入となると、多大なコストがかかってきます。
 それを、パソコンベースでシステムを構築すれば、コストも大幅に削減できます。
 タブレット型パソコンに、計量器やレシートプリンターなどをつなぐ形です。

 システム構成は、下記のようなものです。
 ①タブレットパソコン(Windows 10)
 ②電子台はかり:FG-30KBM-K
 ③サーマルレシートプリンター
 ④キーボード (管理者用)
 ⑤マウス (管理者用)

<商品イメージ作成手順>
 ここで、ご紹介するシステム(サイト管理者が開発したもの)では...
 画面の商品ボタンに表示する写真は、デジカメやスマホで作成できます。
 写真ファイルは、下記の形式であれば使用可能です。
 JPEG (ジェーペグ)・TIFF (ティフ)・BMP (Windowsビットマップ)
 タッチパネルの商品ボタンのサイズは、「縦400×横300」ピクセルです。
 撮影時の画質は、VGA(640×480)で十分です。
 商品ボタンは縦長ですので、縦長の写真になるように撮影します。
 (デジカメの場合は、カメラを90度時計回りに回転させて撮影します)
 画質や向きは、システムの方で「縦400×横300」に自動で変換されます。
 撮影できたら写真ファイルをタブレットに取り込み、商品名や単価、並び順などを設定します。