学びの場としての農園

生き物と触れ合える体験を

 今の子供たちは、リアルな世界での実体験(遊び)の機会が乏しくなっています。
 そして、型にはめられ、好奇心や感受性などの芽も摘まれていきます。
 そのため、自尊感情が育まれず、他人を尊重するという感情も希薄になっています。
 それが、様々な問題行動にもつながっています。

 将来を考えると、さらに不安がつのります。
 近未来は、私たちの想像をはるかに超えた世の中になっていることでしょう。
 そのもとには、AI(人工知能)やVR(仮想現実)などの技術の進歩があります。
 そういった環境が、私たち自身(脳など)も変えられていくことになります。

 体験の乏しい子供たちは、疑うことを知りません。
 そのため、容易に操られてしまうことにもなります。
 誰かに利用されたり、宣伝を鵜呑みにしたり、占いにはまったり、迷信を信じたり...
 そして、深刻なのは、スマホやゲームなどへの依存です。
 メーカーは、あらゆるテクニックを駆使して心の奥底に入り込んできます。
 自己を喪失した子供たちは、容易に心を乗っ取られることになります。
 そんな中で、子どもたちは、自らを、いかにして証(あかし)していけば」良いのかです。

 人類は、自然からどんどん離れていきます。
 そして、形式化した社会、化学物質、人工物に埋もれていきます。
 これからは、仮想の世界に逃避していくことになるのかもしれません。
 そんな中で、貴重な存在になってくるのが自然を実体験できる農園です。
 そんな農園は、子供たちのかっこうの遊び場になります。
 子供たちは、遊びを通して多くを学んでいきます。
 子供には、生まれながらにして生きる力が備わっています。
 そんな力を引き出してくれるのが自然です。
 草花や昆虫など、多種多様な生き物たちが、子供たちの好奇心を刺激してくれます。
 子供たちは、なぜ、どうして、を突き詰め、探究心も培われていきます。
 自然は、不思議や感動もいっぱいで、豊かな感性も磨かれていきます。
 子供たちの未来のためには、生き物と触れ合える場が必要です。
 消費者が支えるコミュニティー農園が、こうした役割を担っていくことになるわけです。

シロスジカミキリ